後頭部の薄毛、AGAの可能性は?
後頭部の薄毛、いわいわゆる「後頭部のはげ」に気づいたとき、多くの方が心配するのがAGA(男性型脱毛症)の可能性ではないでしょうか。AGAは、一般的に前頭部(生え際)や頭頂部から進行することが多いとされていますが、後頭部にまで影響が及ぶことはあるのでしょうか。結論から言うと、AGAが直接的な原因となって後頭部がはげるという典型的なパターンは比較的少ないものの、間接的に影響したり、進行パターンによっては後頭部の薄毛に関与したりする可能性はあります。AGAの主な原因は、男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)が毛乳頭細胞に作用し、毛髪の成長期を短縮させることです。DHTに対する感受性は、頭皮の部位によって異なり、一般的に前頭部と頭頂部の毛包は感受性が高く、AGAの影響を受けやすいとされています。一方、後頭部や側頭部の毛包は、比較的DHTに対する感受性が低いため、AGAの影響を受けにくいと言われています。これが、自毛植毛の際に後頭部の毛髪がドナーとして利用される理由の一つでもあります。しかし、AGAが進行し、頭頂部のO字型の脱毛が広範囲に拡大した場合、その影響が後頭部にまで及ぶことがあります。頭頂部の薄毛が後頭部に向かって広がっていくようなイメージです。また、AGA全体の進行によって、頭部全体の毛髪が細く弱々しくなり、その結果として後頭部も地肌が透けて見え、薄くなったように感じられることもあります。さらに、AGAと他の脱毛症(例えば、脂漏性脱毛症や円形脱毛症)が併発している場合も考えられます。AGAによる薄毛と、他の原因による脱毛が後頭部で重なることで、より薄毛が目立つようになるのです。したがって、後頭部のはげが見られた場合、AGAの可能性を完全に否定することはできません。特に、前頭部や頭頂部にも薄毛の兆候が見られる場合は、AGAが関与している可能性が高まります。後頭部の薄毛の原因を正確に特定するためには、自己判断せずに、皮膚科やAGA専門クリニックを受診し、医師による診察を受けることが重要です。医師は、頭皮や毛髪の状態を詳細に確認し、適切な診断と治療法を提案してくれます。