私は長年、M字ハゲと頭頂部の薄さに悩んでおり、それを隠すために前髪を長く伸ばして横に流すスタイルを続けていました。しかし、風が吹けばすぐに崩れ、汗をかけば額に張り付く前髪が余計に不潔に見えることに気づいていませんでした。ある日、思い切って薄毛カットが得意な美容室に行き、そこで私の価値観は大きく変わりました。美容師さんは私の長い前髪をバッサリと切ることを提案し、さらにワックスの使い方を一から教えてくれたのです。最初は短くすることに抵抗がありましたが、実際にカットしてもらうと驚くほど爽やかになり、薄毛が目立たなくなりました。 美容師さんが教えてくれたセット技は目から鱗でした。まず、ドライヤーの時点で勝負は決まっているというのです。髪が濡れた状態から、温風を当てて根元をこするように乾かし、立ち上がりを作ります。そしてワックスは、髪を固めるためではなく、毛先の動きをランダムにするために使います。前髪は下ろすのではなく、あえて上げて額を見せることで、視線を上に誘導し、M字部分をサイドの髪で自然にカバーするのです。教えてもらった通りにマットワックスでトップを遊ばせ、サイドをタイトに抑えるひし形シルエットを作ると、鏡の中の自分は以前よりずっと自信に満ちて見えました。隠すことばかり考えていた私は、ワックスを使って「見せる」スタイリングを覚えたことで、薄毛というコンプレックスを個性の一部として受け入れられるようになりました。