薄毛治療を病院で受けたいと考える時、多くの方が気になるのが「費用」の問題でしょう。「治療には一体いくらかかるのか」「健康保険は使えるのか」といった金銭的な不安は、治療への一歩を躊躇させる大きな要因になり得ます。まず、大前提として知っておくべきなのは、薄毛治療における保険適用のルールです。日本の健康保険制度では、生命に直接関わらない、あるいは審美(見た目の改善)を目的とした医療行為は、原則として保険適用の対象外となります。男性の薄毛の9割以上を占める「AGA(男性型脱毛症)」や、女性の「FAGA(女性男性型脱毛症)」は、この審美目的の治療と見なされるため、残念ながら健康保険は適用されず、「自由診療」となります。自由診療の場合、治療費は全額自己負担となり、その価格もクリニックが独自に設定できるため、施設によって差があります。例えば、AGA治療の基本となる内服薬(フィナステリドなど)は、1ヶ月あたり6,000円〜10,000円程度が相場です。これに外用薬(ミノキシジル)などを追加すると、さらに費用がかかります。一方で、全ての薄毛治療が保険適用外というわけではありません。薄毛の原因が、他の「病気」であると診断された場合は、その病気の治療として健康保険が適用されます。代表的なのが「円形脱毛症」です。これは自己免疫疾患の一種であり、病気の治療としてステロイド外用薬や内服薬などが保険で処方されます。また、フケやかゆみを伴う「脂漏性皮膚炎」や、アトピー性皮膚炎などが原因で抜け毛が起きている場合も、その皮膚炎の治療として保険が適用されます。まとめると、「AGAやFAGAの治療は自由診療」、「円形脱毛症や皮膚炎など、他の病気が原因の場合は保険適用」と覚えておくと良いでしょう。まずは病院で診察を受け、自分の薄毛の原因が何であるかを正しく診断してもらうことが、費用面を考える上でも最初のステップとなるのです。