社会人になって数年が経った頃、ふと気づくと枕元の抜け毛が増えていることに愕然としました。仕事のプレッシャーや人間関係で、自分でも気づかないうちに相当なストレスを溜め込んでいたのです。その時、私は初めてストレスと薄毛が密接に関係していることを痛感し、自分なりの予防策としてストレスケアを始めることにしました。ストレスを感じると、私たちの体は緊張状態になり、自律神経のバランスが乱れます。交感神経が優位になることで血管が収縮し、頭皮への血流が悪化してしまうのです。髪の成長に必要な栄養や酸素が毛根に届きにくくなれば、髪がやせ細り、抜け毛が増えるのは当然の結果でした。私がまず始めたのは、意識的にオフの時間を作ること。仕事の日は、どんなに忙しくても一日一回は会社の外に出て、公園のベンチで深呼吸をする時間を取りました。たった５分でも、頭がすっきりして気持ちがリセットされるのを感じました。休日には、スマートフォンを家に置いて近所を散歩するようにしました。普段気づかなかった季節の花や、空の色を眺めていると、凝り固まっていた思考がほぐれていくようでした。また、週に一度は友人と気兼ねなくおしゃべりしたり、好きな音楽を大音量で聴きながら部屋の掃除をしたりと、感情を発散させる機会も大切にしました。ストレスをゼロにすることはできません。だからこそ、自分に合った解消法をいくつか持っておき、溜め込みすぎる前に小出しにしていく。この習慣が、私の髪だけでなく、心まで健康にしてくれたと確信しています。