鏡を見るたび、少しずつ後退していく生え際や、光の加減で透けて見える頭頂部にため息をつく。そして、ふと気づくのです。「そういえば、もう何か月も美容院に行っていないな」と。髪を切りたい気持ちはあるのに、美容師さんの視線が、そして周りのお客さんの目が気になってしまって、どうしても足が向かない。その気持ち、痛いほどよく分かります。薄毛の悩みは非常にデリケートで、他人に知られるのが怖いと感じるのは当然のことでしょう。特に美容師さんは髪のプロフェッショナル。自分のこの状態を、どう思われるだろうか。内心で笑われたり、可哀想だと思われたりするのではないか。そんな不安が、美容院のドアを重く感じさせてしまうのです。でも、どうか思い出してください。彼らは毎日、何人もの、何百人もの髪に触れているプロなのです。ストレートやくせ毛、剛毛や軟毛といった髪質の違いと同じように、髪の量の多寡も、彼らにとっては数ある個性の一つに過ぎません。むしろ、悩みを抱えたお客様が勇気を出して来てくれたことを、プロとして「なんとかしてあげたい」と考えている美容師がほとんどです。あなただけが特別なのではありません。同じように悩みを抱えながら、美容院の椅子に座っている人は、あなたが思っているよりもずっとたくさんいるのです。この行きづらい気持ちは、あなただけが抱える孤独な悩みではない。まずはそう思うことから始めてみるのはいかがでしょうか。