-
AGAじゃないのに抜け毛が多い原因は
「AGA(男性型脱毛症)ではない」と診断されたにも関わらず、抜け毛が多くて悩んでいるという方は少なくありません。AGA以外にも、抜け毛を引き起こす原因は様々考えられます。その原因を特定し、適切な対処をすることが、抜け毛を減らし、健康な髪を維持するためには重要です。まず、生活習慣の乱れは、抜け毛の大きな原因の一つです。睡眠不足は、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌を妨げ、毛母細胞の働きを低下させます。栄養バランスの偏った食事、特にタンパク質やビタミン、ミネラルの不足は、髪の毛を作るための材料が不足し、髪が弱くなったり、抜けやすくなったりする原因となります。過度なストレスも、自律神経のバランスを乱し、頭皮の血行不良を引き起こし、抜け毛を増加させる可能性があります。次に、頭皮環境の悪化も抜け毛に繋がります。間違ったヘアケア(洗浄力の強すぎるシャンプー、ゴシゴシ洗い、すすぎ残しなど)や、頻繁なヘアカラー・パーマによるダメージは、頭皮に炎症や乾燥を引き起こし、毛根に負担をかけます。また、皮脂の過剰分泌による毛穴の詰まりや、逆に乾燥によるバリア機能の低下も、抜け毛を誘発します。季節の変わり目も、一時的に抜け毛が増えやすい時期です。特に秋口は、夏の紫外線ダメージやホルモンバランスの変化などにより、自然な抜け毛が増える傾向があります。これは生理的な現象であり、過度に心配する必要はありませんが、他の原因と重なると、より抜け毛が多く感じることもあります。また、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎といった皮膚疾患が原因で抜け毛が増えることもあります。これらの場合は、専門医による適切な治療が必要です。さらに、甲状腺機能の異常や鉄欠乏性貧血といった内科的な疾患、あるいは服用している薬剤の副作用が原因で脱毛が起こっている可能性も否定できません。これらの場合は、まず原因となっている疾患の治療や、薬剤の変更などを検討する必要があります。「AGAじゃない」からといって、抜け毛の原因がないわけではありません。もし、抜け毛が多い状態が続くようであれば、再度皮膚科を受診し、他の原因がないか、より詳細な検査を依頼することも検討しましょう。
-
AGA治療薬の服用をやめた後の影響とは?
AGA(男性型脱毛症)治療薬を使用し、薄毛の改善効果を実感した方が、自己判断で薬の服用や使用をやめてしまった場合、残念ながら多くの場合、抜け毛は再発し、薄毛が再び進行する可能性が非常に高いです。これは、AGA治療薬がAGAの根本原因を治癒させるものではなく、症状をコントロールする対症療法であるためです。AGA治療薬の代表格であるフィナステリドやデュタステリドといった内服薬は、AGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑制することで、抜け毛を減らし、ヘアサイクルを正常化させます。しかし、これらの薬の服用を中止すると、DHTの生成は再び活発になり、毛乳頭細胞への攻撃が再開されます。その結果、治療によって保たれていた毛髪の成長期が短縮され、再び抜け毛が増え、薄毛が進行してしまうのです。外用薬のミノキシジルも同様です。ミノキシジルは、毛母細胞を活性化させ、頭皮の血行を促進することで発毛を促しますが、その効果は使用している期間に限られます。使用を中止すれば、ミノキシジルによる発毛促進効果は失われ、治療によって生えてきた髪の毛も、徐々に細くなったり、抜け落ちたりする可能性があります。つまり、AGA治療薬の効果は、基本的に薬を使用している間にのみ持続すると考えるべきです。治療によって髪の状態が改善されたとしても、それは薬の効果によってAGAの進行が抑えられている状態であり、AGAの体質自体が変化したわけではありません。したがって、自己判断で薬をやめてしまうと、それまでの治療努力が無駄になってしまうだけでなく、再び薄毛が進行することで精神的なショックを受ける可能性もあります。もし、副作用が気になる、経済的な負担が大きい、あるいはある程度効果に満足したなどの理由で治療薬の中止を検討する場合は、必ず事前に処方を受けた医師に相談することが重要です。医師は、現在の状態やリスクを考慮し、減薬や休薬の可能性、あるいは他の維持療法など、最善の判断を下すためのアドバイスをしてくれます。AGA治療は、医師との連携のもと、長期的な視点で取り組む必要があることを理解しておきましょう。