薄毛に悩む女性必見!

2023年2月
  • AGAと男性ホルモンの密接な関係

    かつら

    AGA(男性型脱毛症)の発症と進行には、男性ホルモンが深く、そして複雑に関わっています。AGAを理解する上で、男性ホルモンの役割とそのメカニズムを知ることは非常に重要です。AGAの主な原因物質とされているのは、男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。DHTは、同じく男性ホルモンである「テストステロン」が、体内に存在する「5αリダクターゼ」という酵素の働きによって変換されることで生成されます。このDHTが、頭髪の毛根にある「毛乳頭細胞」の「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)」に結合すると、毛髪の成長サイクルに悪影響を及ぼします。具体的には、毛髪の「成長期」が短縮され、十分に太く長く成長する前に「退行期」や「休止期」へと移行してしまいます。その結果、髪の毛は細く短い産毛のような状態(軟毛化)になり、最終的には抜け落ちてしまいます。このプロセスが繰り返されることで、徐々に薄毛が進行していくのです。重要なのは、AGAの発症は、必ずしもテストステロンの量が多いことだけが原因ではないという点です。むしろ、5αリダクターゼの活性度が高い(DHTが生成されやすい)体質や、アンドロゲンレセプターの感受性が高い(DHTの影響を受けやすい)体質が、AGAの発症リスクを高める大きな要因となります。これらの体質は、遺伝によって受け継がれることが多いため、AGAには遺伝的要因が強く関わっていると言われています。特に、アンドロゲンレセプター遺伝子はX染色体上に存在するため、母方の家系からの遺伝が影響しやすいとされています。また、頭皮の部位によっても、5αリダクターゼの分布量やアンドロゲンレセプターの感受性が異なります。一般的に、前頭部(生え際)や頭頂部は、これらの影響を受けやすく、AGAが進行しやすい部位とされています。一方、後頭部や側頭部は比較的影響を受けにくいため、AGAが進行してもこれらの部位の毛髪は残ることが多いのです。このように、AGAと男性ホルモンの関係は、テストステロン、5αリダクターゼ、DHT、そしてアンドロゲンレセプターという複数の要素が複雑に絡み合って成り立っています。このメカニズムを理解することが、AGAの適切な治療法を選択する上での第一歩となります。

  • AGA治療薬で体毛が濃くなるって本当?

    男性化粧品

    AGA(男性型脱毛症)治療薬の中には、副作用として「体毛が濃くなる」という現象が報告されているものがあります。特に、ミノキシジルという成分を含む薬剤でこの副作用が見られることがあります。ミノキシジルは、元々高血圧の治療薬(降圧剤)として開発されましたが、服用した患者に多毛の副作用が見られたことから、発毛剤としての研究が進められました。現在では、AGA治療薬として外用薬(塗り薬)と内服薬(ミノキシジルタブレット、通称ミノタブ)が存在します。ミノキシジルが体毛を濃くするメカニズムは、頭髪への発毛効果と同様に、毛母細胞を活性化させたり、血行を促進したりすることによると考えられています。外用薬の場合、塗布した部分の頭髪だけでなく、その周辺の産毛が濃くなったり、顔や額にまで毛が生えてきたりすることが稀にあります。これは、薬剤が皮膚から吸収され、微量が血流に乗って他の部位の毛包にも影響を与えるためと考えられます。一方、内服薬であるミノタブは、有効成分が血流を通じて全身に行き渡るため、外用薬よりも広範囲かつ顕著に体毛が濃くなる(多毛症)副作用が現れやすい傾向があります。頭髪だけでなく、腕や足、背中、胸など、全身の体毛が太くなったり、量が増えたりすることが報告されています。この多毛症の副作用は、特に女性にとっては美容上の大きな悩みとなる可能性があります。また、男性であっても、元々体毛が濃い方や、特定の部位の毛が濃くなることを好まない方にとっては、気になる副作用と言えるでしょう。多毛症の程度には個人差があり、全ての人に同じように現れるわけではありません。また、多くの場合、薬剤の使用を中止すれば、濃くなった体毛も徐々に元の状態に戻るとされています。AGA治療薬、特にミノキシジルを使用する際には、このような体毛が濃くなる副作用の可能性について、事前に医師から十分な説明を受け、理解しておくことが重要です。もし、治療中に体毛の変化が気になる場合は、自己判断せずに医師に相談し、薬剤の変更や他の対策についてアドバイスを受けるようにしましょう。