薄毛に悩む女性必見!

2022年8月
  • ミノキシジル内服薬(ミノタブ)の肝臓負担

    かつら

    ミノキシジル内服薬(ミノキシジルタブレット、通称ミノタブ)は、強力な発毛効果が期待できる一方で、肝臓への負担が懸念される薬剤の一つです。ミノタブは、経口摂取された後、消化管から吸収され、主に肝臓で代謝されて効果を発揮します。この代謝プロセスにおいて、肝臓に一定の負荷がかかることは避けられません。肝臓は、体内の化学工場とも呼ばれ、薬物の分解・解毒、栄養素の代謝、胆汁の生成など、非常に多くの重要な役割を担っています。ミノタブのような薬剤が体内に入ると、肝臓はそれを処理するために活発に働きます。そのため、元々肝機能が低下している方や、肝臓に何らかの疾患(肝炎、肝硬変など)を抱えている方がミノタブを服用すると、肝臓の負担がさらに増大し、肝機能が悪化したり、薬剤の副作用が強く現れたりするリスクが高まります。また、健康な方であっても、ミノタブを長期間服用し続けることで、徐々に肝臓に負担が蓄積される可能性も否定できません。特に、アルコールを日常的に多量に摂取する習慣がある方や、他の薬剤を併用している場合は、肝臓への負担が相乗的に増加する可能性があるため、より慎重な判断が必要です。ミノタブの服用によって、肝機能検査値(AST、ALT、γ-GTPなど)が上昇することが報告されています。これは、肝細胞がダメージを受けている可能性を示すサインの一つです。多くの場合、これらの数値の上昇は軽度で一過性であり、服用を中止したり、減量したりすることで改善するとされています。しかし、稀に重篤な肝障害に進行するケースも皆無ではないため、定期的な血液検査による肝機能のモニタリングが非常に重要となります。ミノタブは、日本国内ではAGA治療薬として承認されておらず、医師の裁量によるオフペイント処方(承認外使用)となります。そのため、副作用が起きた場合の公的な救済制度の対象外となる可能性が高いことも理解しておく必要があります。ミノタブの服用を検討する場合は、必ずAGA治療の専門医に相談し、肝臓への負担やその他の副作用のリスクについて十分な説明を受け、定期的な検査を受けながら、医師の厳格な管理のもとで使用することが絶対条件です。

  • AGAと体毛の濃さ関係はあるのか?

    育毛剤

    AGA(男性型脱毛症)の悩みを持つ方の中には、「体毛が濃い人はAGAになりやすい」あるいは「AGAになると体毛が濃くなる」といった噂を耳にしたことがあるかもしれません。実際のところ、AGAと体毛の濃さにはどのような関係があるのでしょうか。AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が、頭髪の毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)に結合し、毛髪の成長期を短縮させることです。一方、体毛(髭、胸毛、腕毛、すね毛など)の多くは、同じ男性ホルモンであるテストステロンやDHTの影響を受けて、成長が促進される傾向があります。つまり、頭髪と体毛では、男性ホルモンに対する反応が異なるのです。頭髪(特に前頭部や頭頂部)の毛包は、DHTによって成長が抑制されるのに対し、体毛の毛包はDHTによって成長が刺激されるという、逆の作用が見られます。このことから、「体毛が濃い人は、男性ホルモンの影響を受けやすい体質であり、その結果としてAGAにもなりやすいのではないか」という推測が生まれることがあります。確かに、男性ホルモンのレベルが高い、あるいはアンドロゲンレセプターの感受性が高いといった体質は、体毛を濃くする要因にも、AGAを発症しやすくする要因にもなり得ます。そのため、統計的に見ると、AGAの症状がある人に体毛が濃い人が多いという傾向が見られる可能性は否定できません。しかし、これはあくまで傾向であり、必ずしも「体毛が濃い=AGAになる」「AGAの人は必ず体毛が濃い」というわけではありません。体毛の濃さもAGAの発症も、それぞれ複数の遺伝的要因や環境要因が複雑に絡み合って決まるため、単純な因果関係で結びつけることはできません。例えば、体毛は濃いけれどAGAの症状は全くない人もいれば、体毛は薄いけれどAGAが進行している人もいます。重要なのは、体毛の濃さだけでAGAのリスクを判断するのではなく、抜け毛の量や質、髪の毛の太さ、生え際や頭頂部の状態といった、AGAの直接的な兆候に注意を払うことです。もし、AGAの疑いがある場合は、体毛の濃さに関わらず、専門医に相談し、正確な診断を受けることが大切です。